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生産財関連主要商社の決算状況不透明な設備投資需要の中、明暗くっきり【ユーザー通信272号 1面】

ユーザー通信 WEB版

生産財関連主要商社の決算状況
不透明な設備投資需要の中、明暗くっきり

生産財関連の専門商社の中間期決算では、不透明な設備投資需要が続く中、各社の業績での明暗が明らかになった。

山善(岸田貢司社長)の第2四半期(中間期)決算では、売上高は2489億2400万円(前期比0.1%増)と前年並みを維持したが、国内外の生産財関連事業では売上高は前年同期比0.3%減の1596億4200万円となった。利益面では、営業利益は前期比29.3%減の34億4200万円、経常利益は同34.1%減の34億9400万円、純利益は同21・6%減の25億6700万円と減少した。通期の連結業績も、売上高5100億円、営業利益100億円に下方修正した。

ユアサ商事(田村博之社長)の中間期決算では、売上高は前期比0.8増の2482億3900万円で、営業利益は同7.1%減の54億9700万円、経常利益は同6%減の60億1700万円、純利益では同43.2%減の36億9千万円。産業機器、工業機械の両部門とも売上高は前年同期より減少した。通期では、売上高同3%増の5424億円、営業利益同15.5%増の170億円を目指す。

日伝(福家利一社長)の中間決算では、売上高が前期比4%増の649億4400万円、営業利益は同2%増の29億1100万円となったが、経常利益は同8.1%減の30憶1800万円、純利益は同19.7%減の20億2千万円と減少した。通期では公表通りの売上高1340億円(前期比5.6%増)としている。

立花エレテック(布山尚伸社長)は、主力のFAシステムと半導体デバイスの両分野で勢いが欠け、売上高は前期比7%減の1067億9800万円、営業利益同31.2%減の39億7600万円、経常利益同43.5%減の36億8500万円、純利益同37.5%減の28億1700万円で、減収減益となった。通期の連結業績も、売上高同4.8%減の2200億円に下方修正した。

切削工具と耐摩工具等事業を展開するCominix(柳川修一社長)は、売上高では前期比0.7%増の140億4100万円となったが、利益では営業利益が同3.8%減の2億4千万円、経常利益同3.2%減の3億1800万円、純利益同10.2%減の1億6500万円と減少。通期の売上高は同4.7%増の300億円。

一方、12月期決算のトラスコ中山(中山哲也社長)と、MonotaRO(モノタロウ/田村咲耶社長)の第3四半期決算では、両社とも増収増益となった。

トラスコ中山は、物流コストや顧客の手間、納期を削減できる「ニアワセ+ユーチョク」(荷物詰合わせ+ユーザー直送)の強化などの営業活動を実施したことで、売上高は前年同期比10.1%増の2163億8300万円、営業利益同8.4%増の142億6800万円、経常利益同8.4%増の143億3000万円、純利益同32.3%増の116億2百万円となった。通期での連結業績予想では、売上高同8.1%増の2900億円、営業利益同3.2%増の191億1200万円としている。

モノタロウは、インターネットを活用し、幅広い商材と高い検索性で差別化する戦略に加え、累積する受注・顧客データベースを整備分析したマーケティングを展開した。この結果、売上高は前期比13%増の2115億9百万円、営業利益同18%増の270億4千万円、経常利益同17.2%増の271億3400万円、純利益同16.8%増の188億8600万円。通期の連結業績は、売上高同12.7%増の2865億7千万円、営業利益同14.4%増の358億2千万円、経常利益同13.6%増の358億3500万円、純利益同15.1%増の250億9600万円を見込んでいる。

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【本号が2024年の納刊となります。本年もご通読いただき、誠にありがとうございました】

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