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ユーザー通信195号 若園精機 金型補修・メンテナンスの受注が激増!

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若園精機

金型補修・メンテナンスの受注が激増!
金型の磨きを女性ベトナム人実習生が担当

INTERMOLD2018では、次世代自動車向けアルミ削り出しサンプルなどを出展

岐阜県養老町で、自動車部品向けアルミ鋳造用金型、試作部品の製作など「鉃を削り続けて半世紀」を標榜する若園精機(若園明人社長)は、今年もINTERMOLDに金型工業会の一員として共同出展する。
同社では前年度におけるものづくり補助金活用の際、「金型づくりをもっと速く!」といった技術革新的内容にプラスαとして、既存顧客と新規取引先、両方向からの販路開拓を謳い文句とした。

そのうち既存顧客向けでは、同社が2009年より設備する独・HARMLE(ハームレ)製の5軸マシニングセンタ『C40U』を駆使し、同マシンの日本総代理店・愛知産業(東京都品川区、井上博貴社長)ともに「モータに関わるようなもの」をテーマとし掘り下げ、次世代自動車向けのアルミ削り出し(燃料電池ケース)を試作した(※写真)。

INTERMOLD2018の大阪開催では、この燃料電池ケースサンプル品や、金型修理に最適で検査効率を上げるFAROレーザー非接触測定デモを実施するほか、今回の展示が初披露となる製品を多数展示する。

若園精機の金型修理・修復については、本紙でも何度か既報し注視するなか、今回展ではその「進化版」を見ることができるという。
若園拓馬専務は、「金型の測定においては、もう単に三次元測定機での計測だけではない品質レベルの向上が要求される流れに、確実になってきている」としたうえで、「特に金型の修理であれば、変形などはタッチ式の三次元測定機での結果だけでは『わからないこと』が多いため、全体を3Dスキャン(FARO)することで、修理個所をより明確にすることに注力している」と続ける。

加えて、独・Vision製ファイバーレーザー溶接機の導入効果も後押しとなっている。金型の修復肉盛り作業から金属接合業務を開始し、従来のTIG溶接から超精密溶接の対応が可能となった結果、金型メンテナンスの受注率が高まり、いまでは「全体の仕事量の半分を超えた」状態にある。

元々は鉃の削り出し、ダイカスト金型や鋳造金型の製作を手掛けてきたが、いつの頃からか、「どこでつくったのかもわからない金型まで含めて『若園さん、修理が得意だよね!』と、修理の依頼が新型を上回るようになった」同社の顧客には、いわゆる「型メーカー」が多い。

「このところ、いつ納品に行っても、どこもすごく忙しそう。『新型よりも、納期の短い修理のほうが、若園さんに向いているよね!』といわれることは多いが、本当は、その仕事(新型)そのものが欲しいところだが・・・」と苦笑する。

旋盤を設備していない若園精機では丸物や、またワイヤカットを外注しているなか、その外注先も多忙を極めているようで、「ホントに忙しいから、無理!」と、心底から断られる場面も少なくないなど、とにかくいま、金型業界は「とてつもなく、忙しい」そうだ。

金型メンテナンスの受注がここ数年増えた理由を、「型面数が増えていること、海外に流れていた仕事が為替の影響により海外に出にくくなった」ことだと挙げるなか、「自動車の新型車両立ち上げにより型面数が増えてきたので、当然、内製での修理の仕事が手いっぱいになってきており、溢れた部分を当社がお手伝いする」という循環が、昨年は最も多かったと振り返る。

大手を除けば、「金型を新品で一つつくれば、例えば何千万円とかかるとすれば、週末を利用した修理などで対応すれば数万円で済むのなら、多分いまは、後者を選択するメーカーが多い」といえる。

さらに若園精機では、女性ベトナム人実習生が金型の磨きを行っている。

元は男性社員が担っていたが、女性実習生へのシフトにより、溶接の仕事量がさらに増え、「職人チーム」が修理の仕事に入れるようになった。
「金型の修理・修復の仕事が迅速に回せるようになったのは、この3つの要素が大きい」と若園専務が指摘するのは、「3Dスキャナー」と「レーザー溶接」、そして「ベトナム人研修生」がマッチしたこと。

また、ずっと外注していたレーザー溶接が内製化できたことによって、「従来、外注先へは往復80分かかっていたため、ワークの機械搭載は夕方間に合わなかったが、内製化により15時か16時には溶接を終え、これまで翌日扱いだった仕事が、当日中に終えることができる」と効率化を果たした。

なお若園精機では、今夏には「5期生」となるベトナム人実習生の迎え入れが控えている。

 

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