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Cominix柳川修一社長 「全部に注力!」 売上高500億円達成年度を2年延長へ「新領域・成長分野の拡大めざす」

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Comⅰnixは6月6日、大阪・堺筋本町の同本社にて、柳川修一社長をはじめ、柳川重昌会長、林祐介取締役常務執行役員管理本部長兼経営企画室長、澤口典宏取締役常務執行役員(さくさく社長)らが出席し、2024年3月期決算説明会を開催した。

24年3月期の業績については、連結売上高は前期比0・7%減の286億4,400万円、営業利益は同20・6%減の7億5,200万円、経常利益は同20・4%減の8億4千万円、当期純利益は同27・4%減の5億3,900万円の減収減益となった。この要因について、主要進出先の中国での急速な経済の失速等を背景に海外事業をはじめ、主力の切削工具事業、光製品事業での売上、利益が伸び悩んだ結果と説明した。

セグメント別では、切削工具事業において主要販売先である自動車業界での中国向け輸出を主体とする顧客への販売が低迷したことにより、売上高は164億1,900万円(前年度比0・5%減)、利益は1億4,100万円(同55・4%減)。耐摩工具事業では、アルミ缶等の生産需要が堅調に推移する中、成長分野であるEV関連、特に車載電池・バッテリーを中心とした受注獲得や新規の外注加工先との取り組みに注力したことで、売上高26億7,300万円(同4・0%増)、利益が2億1,900万円(同103・8%増)の増収増益となった。

海外事業では、成長市場のインドや北米エリアの市場開拓が順調に進んだものの、中国経済の低迷が影響し、売上高73億8千万円(同0・5%増)、利益は2億8,400万円(同35・8%減)。光製品事業の売上高は13億4,800万円(同22・0%減)、利益は5,200万円(同63・9%減)。eコマース事業は、売上高5千万円(同93・5%増)となったが、利益面では7,100万円の損失となった。

総体的に、「卸事業が不調も、直需でカバー。アメリカ、メキシコ、タイは伸長。中国、ベトナムが減少」と振り返った上で、2025年度3月期の連結業績予想について柳川社長は、「工作機械メーカーとの協業、独自性の高い新規商材の拡充など、持続的な成長と変革のための施策を引き続き推進する」とし、連結売上高300億円(前期比4・7%増)、営業利益8億5千万円(同12・9%増)、経常利益8億2,700円(同1・6%減)、当期純利益6億1,400円(同13・8%増)とした。

また、新中長期経営計画ローリングプランについては、「物価高騰や中国経済の長期低迷など国内外の事業環境の変化に加え、環境変化に対応できる現状の体制や基盤構築が不十分」(柳川社長)と判断。新中長期経営計画の数値目標である売上高500億円の達成年度を、当初の27年3月期から2年延長し、「29年3月期の達成を目指す」と見直したことを表明。質疑応答で柳川社長は、何に注力するか?の問いに対し、「全部に注力する」と即答。「選択と集中を徹底し、新領域・成長分野での積極的な展開を図り、収益性を向上する」と強調した。なお、質疑応答では他にも、「インドは3億円/年の成長だが、中国の成長とは速度が違う」、「中国市場は日系企業の状況が良くなく、今期は期待しづらい」、「5人以下規模の町工場は80%がeコマースを利用しているという。eコマース事業(さくさく)は22年、23年と受注はできており、伸びている」、「人材採用に関しては、キャリア採用(中途)が比較的優秀、豊作な傾向にある」等々の言及があった。


▲2期目を迎えている柳川修一社長      ▲右は柳川重昌会長

 

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