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ユーザー通信244号 4面:山善 CO2算出アプリ『GBP App』の導入、提供開始

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流通商社としてサプライチェーン全体を含めたCO2排出量削減に寄与

山善(大阪本社=大阪市西区、長尾雄次社長)は、同社のCO2排出量を拠点・部署ごとに把握するため、ゼロボード(東京都港区)が提供するクラウドサービスを活用したSaaS型のCO2算定アプリケーションを一部カスタマイズ化(=『GBP App』)し、7月中旬より導入した。

また、環境関連ビジネス「グリーンボールプロジェクト」の参加企業に、このGBP Appを提供することで、山善から見たScope3(※事業者によるGHG排出量の算定・報告対象範囲の区分/Scope1=自社の事業活動における直接的なGHG排出、同2=他社から供給された電気、熱・蒸気の使用により発生する間接的なGHG排出、同3=1・2以外の事業活動に関わるサプライチェーンのGHG排出)の一部でもあるサプライチェーンのCO2排出量と削減効果の「見える化」を支援しつつ、参加企業の脱炭素への取り組みをサポートする。

2021年6月に、改訂コーポレートガバナンス・コードが公表されて以降、企業の脱炭素化が今まで以上に急務となっている。特にプライム市場においては、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)またはそれと同等の国際的枠組みに基づく気候変動開示の質と量を充実させることが求められている。山善も今年1月にプライム市場への移行が決定し、GHGプロトコル(※GHGの排出量の算定と報告の国際基準)に準じるTCFDの手順に則り、脱炭素活動を推進していく中、同社の排出量を拠点・部署・カテゴリごとに把握するために、GBP Appを7月中旬より国内の支社、グループ会社、物流拠点などに随時導入し、CO2排出量の総量の把握と、見える化を実現させていく。

また併せて、同社として取り組むべき「5つの重要課題」のうちの一つとして、08年から開始している環境関連ビジネス「グリーンボールプロジェクト」 の参加企業である販売店(ディーラー)に、山善負担でGBP Appをサービスとして提供することで、流通商社として、サプライチェーン全体のCO2排出量の見える化に寄与するとともに削減意識の向上を促していく。今年度は約600の販売店でGBP Appが使用される予定。さらに今後、賛同メーカーや工場ユーザーへ有償提供することにより、 製品の製造に伴う排出量を、例えばネジ1本の単位からラベリング(カーボンフットプリント)が可能となるように現在、準備を進めている。GBP Appの特長は次のとおり。

▽山善およびメンバー企業のCO2排出量を算出、見える化▽対象商品の販売量に応じたCO2削減効果量を算出、見える化▽GHGプロトコルに準じたカテゴリ排出量が表現できる▽年、月次での表現比較ができ、連綿性のある進捗管理が可能▽J‐クレジット等、保有クレジットと紐づけオフセットも可能。

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