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ユーザー通信217号 3面:オーエスジー「株主懇談会」

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8掛けの世界で利益を出す!

オーエスジー(本社=愛知県豊川市本野ケ原)は2月22日、同社アカデミー グローバルテクノロジーセンター(豊川市一宮町)にて、第107回定時株主総会を開催し、委任状、同社役員を含め116名が出席した。


各議案の審議、決議が滞りなく進行したあと、総会後に開かれた恒例の株主懇談会で今回は、石川則男社長は「2020年の成長戦略報告」、大沢秀朗常務執行役員は「欧州M&A報告」、近田幸典執行役員は「国内営業戦略」、米田能崇上席執行役員は「南アジア新戦略」を、それぞれ発表した。

このうち、石川社長の「8掛けの世界で利益を出す!」と題した内容をピックアップすれば、元々2020年は景気の後退期に入るだろうと予想するなか、「とにかく世界でシェアを取ろう」と目標を掲げていた。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が、いまのところ見通せないことから、「オーエスジーは『8掛けの世界』、つまりピーク時の8割に需要が縮小しても利益が出せる体質を目指す」とし、次のように説いた。

決して全ての世界で80%になるわけではないが、やはり中国経済の影響を受ける地域、特に日本、韓国、東南アジアといった地域の景気の減速、物流の停滞、人の動きの制約などから、中国の輸入相手となる国は、新型コロナウイルスの影響は避けられないと考える。さらに、縮小する中国自動車市場は新エネルギー車もついに失速、マイナス成長に転じている。

そんな中、基本的に欧米は、受注、需要など様々な経済データやオーエスジーでの動向を見る限りでは、さほど悪化することないと考えていることから、「ぜひとも欧米でのシェアアップを図り、日本、東南アジアといった減少するであろう部分をカバーをしていこう」との基本戦略を示した。

そして80%の世界でも利益の出る体質として、短期的に2つの施策を講じる。ひとつは、オーエスジーの現場力を活用して、短納期、総合的な提案等を武器とした大手ユーザー市場での受注強化を図る。2つめが、世界中で売り上げが伸長している「Aブランド」製品のプロモーションによる世界市場でのシェアアップを図る。

一方、コスト削減にも注力する。在庫が流通、オーエスジーおよび子会社で若干増えているため削減を図る。また、本社周辺の主力工場では現在、残業や臨時出勤は行わず定時間操業しており、「できる限り早く生産調整の時期を、できれば上期だけにし、下期からは通常の生産をしたい」とし、さらに、販売管理費の抑制、設備投資削減にも言及した。

しかしながら、「縮んでいるだけでは成長は望めない」ため、中長期的な戦略として、大手ユーザー市場での特殊品の受注増加など「EV時代」の対応力を強化、さらに、建設中の「NEO新城工場」は今年5月末に順次稼働予定であり、OSGの強みである現場力を活かした多品種、小ロット生産でも利益が出せる生産体制をコンセプトに、「様々なモデルラインをつくり、全数測定・全数補正といった新しいデジタルものづくりを達成しようと思う」と述べ、石川社長は「この5年間、多くのM&Aを行い、これらの会社とのシナジー効果の拡大」も付け加えた。

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