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ユーザー通信201号② 東芝機械の人財育成 人財教育体系を再構築中 ―「営業力のスキルアップに注力」

ユーザー通信 WEB版

東芝機械の人財育成
人財教育体系を再構築中 ―「営業力のスキルアップに注力」

いま、「空前の」という形容詞がつく「人手不足」、そして就活生優位の「売り手市場」が続くなか、学生の企業研究や企業についての理解は、反比例して「下がっている」と嘆きの声も聞こえる。
そんななか、JIMTOF2018に出展する東芝機械(本社=静岡県沼津市大岡、三上高弘社長)が、会期中に開催される学生応援企画「工作機械トップセミナー」へ寄せる期待は大きい。
前回(2016年)参加の述懐をふまえ、東芝機械グループの人財戦略(採用・教育)の現時点について、同社管理本部 人事部の4人、人事・採用担当の滝登グループマネージャーと藤原正人さん、人材開発担当の大竹典和グループマネージャーと尾田みず希さんに話を聞いた―。
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「ようこそ夢のある工作機械の世界へ」の副題どおり、工作機械トップセミナーは学生に向けて、工作機械メーカーの経営者やユーザーから、ものづくりの最先端で活躍する工作機械の重要性と魅力、工作機械産業で働くことの素晴らしさがわかりやすく紹介される。
この催しには、全国の理工系学生、教職員等約600人が訪れ、セミナー終了後には日本工作機械工業会(日工会)会員の技術者や人事・採用担当者らとの懇親パーティーも実施される。
今回は11月3日(土)、トップセミナーは13時~16時45分に、会議棟7階 国際会議場で、懇親パーティーは17時~19時に、会議棟1階 レセプションホールで開かれる。
東芝機械の人事部では、「トップセミナー終了後の懇親パーティーで、全国から来ている学生と『個々』に話ができ、とても有用な催し」だと考えている。
11月開催というタイミングは、再来年(20年)入社組への「きっかけづくり」になる。今回もブースを設けて、「当社の技術系メンバーも参加し、技術や会社に対し理解してもらえる場になると思う」。
前回(16年)はブースへ数多くの学生が来場し、2時間という限りあるなか3名で対応した。
同社では毎年2月にインターンシップを行っているので案内したところ、参加への呼び水にもなったことから、「来場している時点で、すでに『ものづくりに興味がある』という前提があり、『機械業界に勤めたい』という学生が多いので、このような催しは今後も継続的に実施してほしい」。
今回も、工作機械のみならず産業用ロボットや射出・押出成形機、ダイカストマシンといった世界のものづくりを支える「総合機械メーカー」としての可能性をPRする。

「個人」と「集合」教育で弱みを克服

そんな東芝機械グループが現在、再構築中の新たな教育体系のひとつに、「営業力」への注力がある。「若手の営業力を上げていきたい」との社内ニーズを受け、教育担当とともにスキルアップを目指す内容を考えている最中で、「来春(19年)の採用では営業の採用人数を増やし、拡充をめざしている」という。
カリキュラム的には、「個人」と「集合」に分別し、「個人での実施では、人によって持っている『弱み』が違うので、それに合った教育を選ぶ。集合では、全体で弱い部分の克服に取り組む」。
1年ごとに評価し、個人のスキルアップ・営業全体の底上げをめざす。

「現地法人で実践」グローバル人財育成

さらに、16年時に最も注力されていた「グローバル人財育成」については、これまでは国内での教育を中心としていたが、「やはり、現地での教育が実践的」と考え、約1週間にわたる現地法人での研修を今年9月から新たにスタートしている。

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