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【新人事往来】Cominix 柳川修一社長/四代目就任「若さがアドバンテージ、私なりの社長スタイルで」

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切削工具の「使用前・後」「ものづくり全体」含めた事業づくりに邁進、より大きな成長産業へ―

今年6月23日、「生産性向上に貢献する高度専門商社」を標榜するCominix(本社・大阪市中央区南本町)に四代目社長が誕生した。柳川修一氏(44)である。就任前日には会見が行われ、「設立74年、創業から78年を迎えるCominixの歴史、伝統を含め引き継ぐことになる。非常に身の引き締まる思いであり、より社業の発展に尽くしたい」と、まずはその重責、歴史の重さにふれたあと、質疑応答含め、次のように方針説明に臨んだ。

柳川修一氏は柳川重昌会長(6月23日付就任、前社長)の子息であり、直近では取締役第二営業本部長兼広州加茂川国際貿易有限公司董事長を現任していた(2022年6月~)。同社に入社して22年。このうち柳川会長が社長を20年間務めていたことから、「入社以来ずっと社長業を見てきたことになる。非常にリーダーシップをもって活動されてきた社長だったが、私は同じ社長にはなれない。私は私なりの社長スタイルをとっていきたい」と新社長。その上でこう抱負を述べた。「私の一番のアドバンテージは若さであり、何にでも足でもって飛び回っていきたい。そして社員の皆と話し合いながら新しい将来像をいっしょに見ていく、そんな姿勢で会社をつくっていきたい」。

柳川新社長は基本的な考えとして、「切削工具事業は成長産業である」と断言する。「欧米、中国、日本、東南アジアでは普及しているが、今後のアフリカ大陸へのインフラ投資考えればまだまだ将来像はある」とした上で、「ただし、従来のような単純な成長戦略を描いていくものではなく、切削工具単体のみならず、その『前後』を含めた事業づくりをしていかなければ、これからの成長はないと思っている」という。「前後」とは、切削工具を使い、つくる責任、使ったあとの製造ラインやリサイクルなど「ものづくり全体を含めてあるべきもの。それらを施策の中に内包していきたい」。元来より同社は、切削工具業界で「日本のトップに立とう」と取り組んできたが、柳川新社長は「切削工具のトップの意味が変わってくるのだと思う。切削工具だけでは成り立たなくなってくる。その意味で前・後、ものづくり全体を通して、より大きな成長産業としていきたい」と繰り返す中、「注力すべきは機械販売事業」とも添えた。

eコマース事業を深耕

日本国内に目をやれば、EV化により一旦は自動車関連で大きな変革が求められつつあるが、「これは大きなチャンス」だと捉える。一方、人口減少という点において「販売網の弱体化」が今後実際に表面化することを懸念する。「我々は責任をもって供給できるよう、新たな事業としてのeコマース(さくさく=切削工具通販、Cominix Online=商品検索・在庫・購入等支援サービス)で、よりお客様目線で活用できる状況づくりを続けなければならない。販売店様により協力いただければ、今後も販売網は築いていけると考える」。将来的に販売店の人材減少が続けば「流通網に穴が開く」ことになり、その網をしっかり補完するものがなくてはならない。それが『さくさく』であり『Cominix Online』となる。さくさくは、「ユーザー目線に立った商品、当社ならではの専門性に高い商品知識を使って、購入しやすいWebサイトにしていかなければならない。現状ではまだまだ情報量やランナップに不足感があるので、そういった補完も必要だと思っている。まだまだ先はある」。「人的労力が不足した販売店様へ、販売網を構築する『Cominix Online』を当社がひとつのシステムとしてお手伝いする形に落とし込んでいかなければならない。個々の販売店様に対するカスタマイズや現在実際に行っているEDI(データ連携ツール)を取り込んでいくことも必要になってくる」とそれぞれ深耕した。

海外展開では「日本の商品を日本の商社が売るストーリーが大事」
IT、DXに親和性高い光システムに期待(光製品事業)

そして海外展開については、「間違いなく当社アドバンテージのひとつ」と前置きしつつ、「より強力に推進しなければならない。日本市場のみならず世界の市場をとっていける組織づくりをしていきたい」とする。中でも「10年先立って」進出したインドの人口が、直近、世界トップに躍り出た。現在は3拠点(グルガオン、バンガロール、チェンマイ)を構えており、「まだまだ成長していく市場であり、日系企業頼りではなく、よりローカルユーザーに対する販売体制をとる。『日本の商品を日本の商社が売る』ことは、ひとつのストーリーがあり大事なこと。よりオリジナル性の高いプロダクションづくりも今後の大きな展開となる」。さらには、「当社はインドの『AXIS』商品(切削工具)の日本総代理店となっているが、今後そういった優れたメーカーを世界に紹介していく役目もさらに担っていきたい」とのアプローチに言及した。

また、光製品事業においては、光システムがITやDXにおける画像処理で親和性が高いことから「今後当社の大きな武器になってくる」と期待を寄せる。その後はさらに、質疑応答にこたえる形で、「当社の長所は高い専門性、海外展開、取り扱い製品の多さとオリジナル性の高さ、2つの流通形態(直販と卸販売)を持っており、そこにeコマースをプラスしていく」と整理した。

【柳川修一氏=やながわ・しゅういち】摂南大工卒。2001年/Cominix(当時大阪工機)入社。16年/中阪貿易(上海)有限公司広州分公司営業部長。21年/執行役員中阪貿易(上海)有限公司総経理。22年/執行役員Cominix第二営業本部長兼広州加茂川国際貿易有限公司董事長。取締役Cominix第二営業本部長兼広州加茂川国際貿易有限公司董事長。23年/Cominix代表取締役社長執行役員。大阪府出身。1978年生。


▲好きな言葉は「立派な会社にしたい」。これは柳川会長がかつて、ふと口にしたメッセージだという

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