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ユーザー通信 242号 2面:立花エレテック 決算発表

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売上高、営業・経常利益が過去最高を更新

国内外子会社の業績が大躍進、連結で単体上回る売上高伸長 

技術商社の立花エレテックは5月12日、2022年3月期(21年4月1日~22年3月31日)の連結業績を発表した。

売上高1934億3100万円(前年度比19・8%増)、営業利益67億1千万円(同66・4%増)、経常利益74億1200万円(同68・9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益51億4400万円(同48・8%増)。

渡邊武雄社長は、「非常に良い成績をおさめることができた。その背景は、コロナ禍で落ち込んでいた各社業績のリバウンドの時期に合致し、その上、製品(半導体など部品)の供給不足、納期が長期化する中での受注増に対し、お客様への供給責任を果たすべく、在庫確保、拡充に取り組むとともに、お客様の需要動向を的確に捉えた販売活動に注力した結果」だと好業績の裏付けを述べた。こういった中、「特に国内外の子会社が著しく業績を伸ばし、連結では単体を上回る売上高の伸長を見せた。最大の理由はDX関連の商品を扱っている強み」とも付け加え、国内では岡山営業所の開設、また、3Dプリンターによる新しいものづくり技術の普及に努めるべく「日本AM協会」の設立、活動等についても言及した。

セグメント別に見れば、FAシステム事業は、売上高1013億8100万円(前年度比15・1%増)、営業利益41億1300万円(同40・9%増)。FA機器分野では、半導体製造装置関連や物流関連、食品関連の設備投資が好調であり、プログラマブルコントローラー、インバーターおよびACサーボが好調に推移した。産業機械分野では、補助金効果により工作機械、レーザー加工機が大幅に伸長し、製造ライン向け自動化設備も堅調だった。産業デバイスコンポーネント分野では、タッチパネルモニター、システム、ロボット、センサが大きく伸長し、また子会社では半導体製造装の業界を中心に接続機器等の販売が好調に推移し、連結業績に貢献した。

高水準な需要継続する半導体デバイス事業は過去最高の売上高

また、前年度後半から高水準な需要が継続している半導体デバイス事業は、売上高715億9900万円(前年度比31・7%増)、営業利益25億1千万円(同189・2%増)。マイコン、ロジックおよびパワーモジュールなどが大幅伸長するとともに、海外においても日系企業向けを中心に大きく伸長した。しかしながら世界的な電子部品の逼迫により、国内および海外子会社では必要部品確保に奔走、一方、電子デバイス分野では、液晶パネルの根強い需要が継続するとともに、コネクターなどの接続部品が大幅に増加した。これらの結果、半導体デバイス事業全体の売上高は過去最高となった。

その上で、23年3月期の連結業績については、「過去最高の注残状況にある中、4・5月の段階では計画通りの供給状況にあるが、流通在庫がどれだけ実需要となるか。原材料はじめ諸物価の高騰、ロシア・ウクライナ情勢など地政学的リスクに対する懸念もある、コロナ禍も収束していないなど、非常に見通しづらい期であり、まずは21年3月期と同程度」を見据え、売上高1950億円(前年度比100・8%)、営業利益67億5千万円(同100・6%)、経常利益73億5千万円(同99・2%)、親会社株主に帰属する当期純利益50億円(同97・2%)を予想する。

▲社長としての22年間を「仕事に打ち込め頑張ることができ、満足している」と振り返った渡邊社長

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