ADQ35とlibadsによる超高速データキャプチャ向けディスクストリーミング
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Teledyne SP Devicesは、高速ADQ3データ収集ボードファミリと独自のlibads NVMeストリーミングライブラリを組み合わせることで、高速データ収集における大きな進展を発表した。これにより、毎秒数10GB規模の持続的なディスク書き込み性能が実現され、広帯域信号収集、レーダー解析、衛星監視、科学計測機器などの用途において長時間のデータ収集および記録が可能になる。

なぜ高速ディスクストリーミングが重要なのか
最新のデータ収集システムは、毎秒数10GBに達する高精度データを継続的に生成します。従来のファイルシステムベースのストレージ方式では、レイテンシの発生やスループットの制限が避けられず、デジタイザの最大速度での連続記録を維持することができません。これらの制約を解消するために、Teledyne SPDevicesは高性能なNVMeストリーミングライブラリ「libads」を開発した。このライブラリはSSDアレイに対してブロックレベルで直接書き込みを行う。オペレーティングシステムを完全にバイパスすることでボトルネックを排除し、ADQ35デジタイザと組み合わせることで中断のない高速データキャプチャに必要な持続性能を実現する。
ディスクストリーミング・アーキテクチャ
高性能なディスクストリーミングは、デジタイザからストレージへの効率的かつ決定論的なデータ転送に依存する。このアーキテクチャの中核を担うのがADQ35であり、シングルチャネルモードでは最大10 GSPS、デュアルチャネルモードでは5 GSPSで動作し、20 GB/sの生データを生成する。PCIe Gen3インターフェースは、デバイスあたり最大14 GB/sのホスト転送帯域幅をサポートし、超高速データキャプチャの基盤を形成する。
適切なホストPCには、デジタイザ、GPU、NVMeキャリアボードをボトルネックなく収容するために、十分なPCIe Gen4またはGen5 x16スロットが必要だ。複数のNVMeドライブを並列接続するために、PCIeバイファケーションやPCIeスイッチが利用されることが一般的である。RAIDアレイは、長時間にわたる安定した書き込み性能を実現するKioxia CD8のようなエンタープライズ向けNVMe SSD、またはSLCキャッシュ制限を許容できるコスト効率の高いバースト記録向けにハイエンドコンシューマ向けSSDを用いて構築できる。libadsはディスクの生セクタに直接書き込むことでオーバーヘッドを最小化し、スループットを最大化する。

libadsの役割
libadsは、大容量かつ連続したブロック書き込みを用いて、ADQ35からNVMeドライブへの直接データストリーミングを管理する。このアプローチにより、適切なRAID構成では25 GB/sを超える持続的な書き込み速度を実現し、ジッタを最小限に抑えた決定論的な性能を維持する。このライブラリは、コンパクトなシステムからペタバイト級のRAIDアレイまでスケーラブルに対応し、CPU負荷を低く抑えることで、ホストプロセッサが監視処理やGPUを活用したリアルタイム処理に専念できるようにする。
ストレージ構成例
5台の高性能SSD(例:Kioxia CD8)で構成されたエンタープライズ向けRAIDシステムは、総容量約75TBで、持続的な書き込み速度25GB/s以上を実現可能。この構成は、デジタイザのフルスピードで数時間にわたる記録を行う用途に最適であり、長時間にわたってスループットの低下なく安定した性能を提供する。コスト重視の環境では、Kingston Fury Renegade G5のようなハイエンドコンシューマ向けNVMeドライブ2台を用いた構成により、数百GB規模の記録に適した高速バースト書き込みが可能だ。SLCキャッシュが枯渇すると性能は低下するが、短時間のキャプチャや予算制約のある用途においては有効な選択肢となる。

性能に関する考慮事項
最大スループットを達成するためには、PCIeレーンの適切な割り当て、大容量ブロック転送サイズの使用、選定したSSDの耐久性および持続性能特性、さらに長時間記録時のドライブのサーマルスロットリングを防ぐための十分な熱管理が重要だ。
2026年4月1日






