ユーザー通信 247号 4面 :日之出水道機器 独企業と「ミネラルキャスティング」に関し事業提携
高精度・高速動作求める産業用機械の構造新材料として欧州等で多く活用されるミネラルキャスティング
ランプグループジャパン(大阪市淀川区)と日之出水道機器(福岡市博多区)は、ミネラルキャスティング製品の共同開発、生産、販売などに関する事業提携契約を締結した。提携事業の基本と今後の展望は、ドイツ・RAMPF Groupのもつミネラルキャスティング技術と日之出水道機器が土木用途として40年来蓄積してきたポリマーコンクリート生産技術を組み合わせ、日之出水道機器・栃木工場にてミネラルキャスティングを製造し、ランプグループジャパンにRAMPFブランド製品を納入するとともに、ヒノデブランド製品として日之出水道機器も販売する。
樹脂と骨材を固めたポリマーコンクリートの一種であるミネラルキャスティングは、粒径の異なる鉱石を骨材とし、エポキシ樹脂で結合させた高機能複合材料で、高精度・高速動作が求められる産業機械用途を中心に欧州等で多く利用されているが、現在、日本国内では生産されていない。材質面では、高振動減衰性(ねずみ鋳鉄 FC300の約10 倍)、低熱伝導(FCの1/50、ガラス並みに低い)、電気絶縁性。生産面では、成型性(注型前の型に配管組み込み可能、高精度の転写性で加工レスが可能)、環境負荷低減(エネルギー消費量が低い)など、優れた特質をもつ。このような材料特性に鑑み、工作機械、半導体製造装置、 精密測定機器、印刷機械、産業搬送機器等の、械構造部の安定した部位、引張荷重ではなく圧縮荷重の部位、可動部ではなく固定部フレームへの応用に適しており、鋳鉄製品との組み合わせで最適な提案が可能だという。
▲ミネラルキャスティングの応用部位
2022年11月30日