ユーザー通信239号 3面 山善 ロジス関東にロボットソーター『t-Sort』を導入
仕分け業務の自動化・効率化を促進、作業効率約3倍に大幅向上
山善は、国内最大の物流拠点である「ロジス関東」(群馬県伊勢崎市)にて、プラスオートメーション(東京都港区)の次世代型ロボットソーター『t-Sort』のRaaS(Robotics as a Service)活用を開始し、仕分け業務の自動化・効率化を図りながら、労働環境の改善、作業効率および作業精度の向上に繋げていく。
山善では持続的な成長に向け、2019年度から2023年度にかけて600億円の投資枠を設定しており、対象領域は「DX」「自動化・省人化」「グリーン成長」、そして「物流」の4分野としている。
昨今の物流業界は、新型コロナウイルスの影響もあり消費者の購買行動変容した中、ECサイトのさらなる需要拡大に伴い業務量が大きく増加している。その一方で、現場は人手不足の傾向が顕著であり、物流作業の自動化・効率化に向けての取り組みは重要な課題となっている。
そのような中、山善は昨年11月に、主に生活用品の物流拠点であるロジス関東に、プラスオートメーションのロボットソーター、t-Sortを導入した。作業者は仕分けする商品のJANコ ードをスキャンし、商品をt-Sortの上に置くだけで、t-Sortはタグが埋め込まれた塩ビシートの上を自走し、仕分け箱の中に商品を自動で投入する。これにより、誤仕分けは限りなくゼロに近づけることができ、また、バッテリーを仕分け場に設置することで、t-Sort自体が自動充電を行い、24時間稼働する。
今回、ロジス関東では、24台のt-Sortを導入し、量販店に出荷する雑貨の店舗別の仕分け作業を行っている。仕分け箱の前に緩衝材の役割を果たす「ハンモックシュート」を設置することで、取り扱いに注意が必要な雑貨も破損することなく、t-Sortでの仕分けが可能となった。
仕分け対象商品は約800アイテム超。縦3㎝×横3㎝・重さ1gのものから、縦45㎝×横30㎝・重さ15㎏のものまで対応している。
導入後、作業者は従来の12名から5名に減り、作業効率も約3倍と大幅に向上した。さらに、商品だけでなく、梱包箱に同封する納品書もt-Sortが仕分けることで人的ミスを防止しており、出荷に関わるミスも限りなくゼロに近づけている。
今後は、入庫品の仕分け作業などでもt-Sort活用の検討を進め、t-Sortに商品を置く作業を、AIピッキングソフトウェアを搭載した協働ロボットで代行する技術 検証も進めるにあたり、そのシステム設計と技術検証は、山善のエンジニアが行っていく。
山善は引き続き、最先端技術の導入により、物流業務の自動化・効率化を促進しながら、取引先店舗へのジャストインタイムでの納品とホワイト物流を推進し、物流品質の向上に努めると同時に、それらで得られる知見を物流会社へ提案としてフィードバックしていく。
2022年2月14日