高校新卒の採用マーケットが6年間で2倍に急増

製造業など採用に苦戦する業種は「高卒に特化した直接アプローチ」に注目!

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の渦中、高校生による「9月入学賛成」の署名活動や、国会議員の「高卒発言」に日本人メジャーリーガーが反応するなど、折しも、高校生にまつわる話題が目に留まるが、近年、「中小企業の人手不足には高卒採用が有効」との機運が高まっているという。

「不景気採用の法則」をご存じだろうか。就職難の時代に採用した人材は入社後の活躍が目覚ましく、大手企業などで役員、社長などになる人材の多くが就職難時代に採用された人材である率が高いというものだ。

この数年間、製造業など採用に非常に苦戦している業種、業界にとって、今こそ採用に注力することにより、強い戦力を補強したいと考えている企業が、新型コロナに負けず採用に注力している。

当たり前の話だが、中途・大学新卒と同じように、高校新卒にも「魅力的な人材」と「そうでない人材」がいる。そんななか、経験や学歴を重視するよりも、「素材」や「ロイヤリティ」を重視する企業が増え、思った以上に高校新卒に魅力的な人材が多いにも関わらず、採用に注力している企業が少ないため、入社後に大活躍する人材を採用しやすいという認識が広がってきているそうだ。

過去6年間で「高校新卒採用」を募集する企業の求人数は2倍に急増している(※グラフ参照)。

中小企業にとっては、将来、会社の中核となる人材を新卒採用し、育てることが課題だが、大卒採用市場の現状を見れば、大手企業の求人倍率1・83倍に対して、中小企業の求人倍率は8・62倍(出典:リクルートワークス研究所「第36回ワークス大卒求人倍率調査」)であり、大卒採用は大手企業に人気が集中し、中小企業の大卒採用は困難だ。

だが、大卒採用に比べ高卒採用は、大手企業へのこだわりは高いとはいえず、地元への就職希望も多い(大卒は地元を離れているケースも多い)など、高卒採用は中小企業の採用にとって有利な点が多い。

記者は専門学校卒だが、高校3年生当時(1985~86年)に、進路指導教員が推薦する企業の選択肢の少なさに、「仕方なく自分で求人情報誌を購入し、就職先を探す」友人を何人も見た原体験がある。

あれから35年、高卒採用は未だに、長年の規制や慣習が根強く、多くの「独特なルール」が変わらずに存在している。「一人一社制」「企業と生徒との接触の禁止」「厳密な採用スケジュール」等が、学校斡旋を元に採用活動を行う場合に定められている。

ルール上、高校生に直接求人を届ける手段は少ないが、いまは実質、アプローチ方法は存在する。

まず、オンラインでの訴求。スマホ世代の高校生は求人票だけではなく、インターネットで情報検索するため、「高卒採用向けに特化した求人サイト」への掲載や、自社リクルートサイトを作成することでアプローチが可能となる。

次に、専門民間企業による「高校生だけが集まる就活イベント」(地方銀行や信用金庫の主催も含む)に出展することで直接本人と接点を持つアプローチが可能になる。

高校生は合格を出した場合に入社する確率が極めて高いので、「最初の教育」をするつもりでこういったアプローチに取り掛かってみたいところだ。