20年度決算は売上20%減・営業損失84億円も、高まる非接触ニーズ、半導体関連需要

コロナ禍においても長期的な成長ポテンシャルは「むしろ拡大」戦略は不変(寺町社長)

THK(本社=東京都港区)は2月10日、2020年12月期(2020年1月1日~12月31日)の決算発表を、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)拡大による緊急事態宣言下にある中、今回は電話会議の形式で行った。
決算ハイライトおよび質疑応答にて寺町彰博社長が言及した「THKの現時点」を整理すれば、概ね次のとおりとなる―。

連結売上収益は前期比20・2%減の2189億円となった。新型コロナの世界的な感染拡大により、自動車メーカーが操業停止に追い込まれる中で、主に第2四半期連結会計期間(4~6月期)における輸送機器事業に大きな影響が出た。

産業機器事業においては、コロナ禍で主に先進国における需要が低位に推移した。
これらによって前期に比べ減収となったが、いち早く経済活動を再開した中国においては、期の後半に需要の回復が見られた。

そのような状況の中、営業損益は、固定費削減をはじめ各種コストコントロールに努めたが、売上収益の減少に加え、輸送機器事業の減損損失および構造改革費用等の影響が大きく、連結営業損益は84億円の営業損失となった。
しかしながら、売上収益に加え、営業利益についても前述の特殊要因を除くベースでは計画を上回って期を超えることができた。

地域別の売上収益の状況について、中国においては期の後半に回復した需要を着実に取り込み、コロナ禍においても増収となった。

これらを踏まえた主な取り組みとして、2022年度を最終年度とする中長期経営目標【連結売上収益5000億円、営業利益1000億円、ROE(自己資本比率)17%、EPS(1株当たり利益)560円】においては、IMF世界経済成長率の3・8%平均を前提としてきたが、コロナ禍もあり前提を大きく下回り、1・0%平均で推移している(18~20年)。

世界経済の影響を受け、産業機器、輸送機器両事業における市場環境が前提を下回る中で、輸送機器事業においては20年度に予定していた大型案件の先延ばし、そしてIFRS(国際会計基準)移行に伴い売上収益が想定よりも減少した。

これらにより、経営目標の達成時期は見直しが必要と判断した。

しかしながら、自動車の電動化に加え、新型コロナの影響による半導体関連の需要拡大や非接触のニーズの高まりによる自動化・ロボット化、さらにサービス産業における部分でも、自動化・ロボット化が要求される状況に進展しており、長期的には成長ポテンシャルは、むしろ拡大していくものと考えられる。

したがって、ビジネススタイルの変革、グローバル展開、新規分野への展開といった3軸の成長戦略に何ら変更はなく、事業領域のさらなる拡大を図り、加速させていく。

世の中の大きな潮流が生まれる変化のキーワード(5G、AI・IoT、Industry4・0、CASE、自働化・省人化、省エネ化)が、THKのソリューションを求めているため、長期的な需要の拡大は疑いの余地がないと考えている。特に自動車産業の今後の動向を示す重要な鍵であるCASEは、我々の身の周りのあらゆる事柄が影響を受けていくと思われる。

なお、工作機械メーカーの需要回復状況は、日本のメーカーより台湾メーカーのほうが早い。当社が中国で受けている仕事に、「台湾メーカーの需要の強さ」を感じている。