岡本工作機械製作所

設備投資に沸く安中工場

 

立て続く設備更新・新規導入に沸く、岡本工作機械製作所(石井常路社長)の本社・安中工場(群馬県安中市)を、同社技術開発本部 商品企画部 マーケティングチームの西上和宏チーム長案内のもと訪ねた。

その設備投資は、同社が今年5月に発表した新たな新中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期の3ヶ年)を土台としている。

「安定した収益を確保できる企業への変革」をビジョンに「顧客付加価値強化(B to BからB with Bへ)」「グローバル戦線拡充」「モノづくり改革」を基本戦略とし、3年後(22年3月期)の数値目標を、売上高380億円(19年実績・360億円)、営業利益46億円(同39億円)、営業利益率12%(同10%)とする。19年実績に比べ、売上高で20億円、営業利益で7億円、営業利益率で2%の伸びを掲げる。

それに伴って、「いかに効率良く仕事をするか。組み立て作業のスキルアップに加え、部品加工ではできるだけ自動化・無人化設備を導入し、内製化により外注費用を抑えるなど、原価を下げる試みを行っている」と西上チーム長。
内製化については昨年、要素部品の仕入れに苦心した期間があったことから、その経験もふまえ、「できるだけ内製化」が進み、自社での納期管理徹底・原価低減の意味も含んでいる。

そんななか、安中工場の加工ラインでは、約40年近く前となる工場設立時から安田工業製の加工機を複数台設備しているが、今年6月には新たに安田工業製プレシジョンセンタ『YBM8T』を導入し、主に自社製品研削盤に使用される鋳物加工で活躍している。6つのパレットチェンジャーにて自動化を図り、作業者が不在でも連続運転を可能にしている。
このほかここ数年では、ヤマザキマザック製複合旋盤『INTEGREX ⅰ‐200S』、イタリア・サルバニーニ製パネルベンダーといった「最近は一貫して自動化・無人化できる機械を導入」し、残業減、人件費抑制、加工能率向上、納期短縮をめざすなか、工場内にはさらに、これから導入予定の設備もあるとのこと。

現在同社で最も販売好調なのが、工作機械業界、金型業界、素形材料メーカーや半導体製造装置業界に向けた門形の大型研削盤で、こういった需要はさほど減少しておらず、全般にいえることとして西上チーム長は、「我々のような工作機械メーカーでは、やはり内製化・精度向上・自動化を進めようとしている企業が多いのか、将来を見据えた設備投資に取り組もうとしている。ユーザー様は当社製の高精度な研削盤を内製化に取り入れ、できるだけ外注を抑える方向に動いているのだと思う」と話す。

また、昨年は非常に工作機械業界の受注が活況だったので、ベッド研削盤など大型機械の更新需要や新規工場立ち上げに設備する大型ベッド研削盤の導入ケースが多く、さらに加えて「既存の大型設備はバブル期に導入されたものが多く、その更新需要に当たっているのだと思う」とも続けた。

「切削革命」提唱し続け4年

研削盤はいまや「精度が出てあたりまえ」の時代であり、「それにプラス何ができるか?」を考えないといけない中、同社では4年前から「全自動研削」「高能率研削加工」「機上測定&自動補正研削加工」「複合研削加工」を4大テーマとする『研削革命』を提唱し続け、付加価値の高い革新技術に取り組んでいる。

「例えば全自動研削については、確かに『全』自動までは至らないが、これを標榜することによって、お客様の現有設備の研削盤を自動化したいというニーズを掘り起こすことができている」。

新たに購入する機械に対し、「どれか自動化できる機能はあるか、予算の範囲内で可能な自動化はどれか」と話が進み、全自動平面研削システムに入っている中のひとつの機能だけを装備し販売するケースなどが増え、「超精密加工を行う研削盤も自動化ができるんだ、という意識付けが大事」だと実感できている。

その社会的背景には、残業規制等の働き方改革があり、そのうえ「研削盤とは0・1㎜単位で削るものなので、職人さんがピタリと張り付き作業しているが、その方々の高齢化に伴い、新しい機械は少しづつ自動化したり、経験の浅い者でも操作が簡単な機械の導入など、そういったニーズを掘り起こせている」。

MECTで4機種を展示・実演

こういったなか、出展を控えるメカトロテックジャパン(10月23~26日/ポートメッセなごや)では、「全機種が目玉」と自負する次の4機種の展示・実演を行う。

研削時間を短縮するCNCロータリー精密平面研削盤『PRG6DXNC』、測定器付の超精密平面研削盤『PSG63SA1』、2スピンドルのCNC精密内面研削盤『IGM15NC‐2SP』、そして全自動平面研削システム『PSG63CA3‐SELF』は「第四世代」を初披露し、「第四世代たる全貌は、会場で初めて明らかになる」とふれ込む。