ミツトヨ製三次元測定器ユーザー「友栄精密(大阪府富田林市)」

139mitsutoyo2 友栄精密は各種機械部品、試作品などの加工・制作を単品から量産まで対応し、何より、材料手配から切削加工・熱処理・表面処理・研削加工・型彫・ワイヤ放電・仕上げ加工・検査といった、生産全工程を「一貫生産」、「一社完結」する体制を最大の強みとしている。

 

 

 


写真:スクロールの制度測定

 試作では空調器用精密部品、光学部品、水力ポンプ部品、自動車部品、機械部品、また量産加工では半導体用部品が取扱製品となるが、この強みは同社にとっては、兼ねてより「あたり前の仕組み」であり、昨年秋に出展した「関西機械技術要素展」では、また新しい顧客を引き寄せる大きな要因ともなった。しかもその企業は「お膝元」ともいえる場所に所在する、世界有数のアウトドアスポーツ用品会社(※ウィキペディアによる表現)だ。
 「灯台下暗しというか・・・正式な取引までには時間も要したが、このような大手さんでも『旧来の外注のお抱えでは、ものづくりは変わらない』との意識で、常々、新たな外注先を探している。それに当社が叶ったということで、まだまだ『困り事』が多いのだなと実感している」。
 そんな同社が位置するのは大阪南部の富田林市。多くのプロ野球選手を輩出した高校野球の名門校や、日本最大級と称される花火大会など、ある意味「稀有な存在」が目立つ同市だが、友栄精密もまた同様。
 その筆頭格が「スクロール加工」であり、この仕上げ加工が出来るのは「関西に2、3社しかない」というから、まさしく希少だ。
 「入社当時(25年前)は、開発品の仕事で、某空調器メーカーへの、完全に『一社依存型』だったが、そのメーカーが拠点を中国、タイに移すに連れ、自社開発に切り替えたことで、一気に仕事がなくなった」。
 時は折りしも、大手家電メーカーの再編期でもあった。だが、これが奏功する。
 「自社開発が手一杯となった親会社メーカーが、当社のスクロール加工技術に白羽の矢を立てた。その後はやはり、冷熱関係での電機メーカーにも取引を拡大するなど、当社が『生まれ変わった』のがこの時期(2002年)でもあった」。
 こういった変遷からも、スクロール加工の外注が育たなかった原因のひとつは、メーカーでの内製が多かったためとの背景が伺い知れるが、また別に「測定能力が必要」とも指摘する。
 「スクロール加工には高精度保証の裏付けが必須。かつては、渦巻部輪郭精度は±10μmの時代だったが、今では、その精度は±4μmの世界。加工はもちろん、測定にも非常にノウハウがいる。お金は生まないが、保証はしてあげないといけない(笑)」
 同社では、量産対応型複合加工機『SuperNTY3』(中村留精密工業製)など、昨年だけで総額約2億5千万円の設備を投資したが、その中では、ミツトヨ製三次元測定器『Crysta‐Apex S544』も導入され(*ミツトヨ製検査設備は全9台所有)、研削部門として99年にグループに加わった、トキワ精工(大阪市西成区)内に、現在は設置されている。
 「対顧客のみならず、製品をつくるための自社設備精度の維持、把握にも効果を発揮している。もちろん、精度保証が出来ることにより、様々な受注が伸びているのは確かだ」。
 現在、同社は「難形状」「高精度」「難削材」(チタン、アルミなど)を3本柱とするが、「大阪府内で、なんでもかんでも削れるところは少ない」と繁木工場長。Crysta‐Apex S544の存在もまた、その自信に拍車を掛ける。  尚、設備投資では11月にも5軸MC『DMU85monoBLOCK』(DMG製)の新規導入を予定している。この様子を「設備投資は、以前は3年に一度の更新がやっとだったが、ここ5年では、新会社をつくったのと同じようなもの。リーマンショック後、『ドサ回り』のように、1ヶ月で30~40件を新規営業し、情報が豊富になったことや『宝くじに当たったような仕事』などもあったことなど、すべてに甲斐があった」と最後は、営業部長兼任の顔も覗かせた。
ユーザー通信139号(2013.7.1)掲載