ローカル5Gで自律走行型ロボットを遠隔操作

DMG森精機 伊賀事業所で
NTT Comと共同実験開始

DMG森精機とNTTコミュニケーション(以下、NTT Com)は、ローカル5Gを活用して、測域センサなどを用いた無人搬送車に人協働ロボットを搭載し、軌道レールなしに走行可能な自律走行型ロボット(以下、AGV)の遠隔操作などを行う共同実験を、今年5月からDMG森精機 伊賀事業所で開始している(実験期間は来年4月まで)。

ローカル5Gは、携帯電話事業者による5Gサービスとは別に、地域の企業や自治体などが自らの建物や敷地内で5Gネットワークを構築し利用可能となる。

「超高速」「多数同時接続可能」「低遅延」などの特性をもつローカル5Gを活用することで、高精細な位置情報・詳細な稼働情報取得による自動走行の精度向上や安全性向上、エッジコンピューティング側でのデータ処理負荷軽減による車体の軽量化など、AGVの高性能化への寄与が期待されており、両社は同実験を通じてその実現可能性を検討する。

DMG森精機は、ユーザーが10年、15年と工作機械を使えるよう、計測、稼働監視、センシング機能などさまざまなデジタルソリューションを提供してきた。特に近年は変種変量・多品種少量生産の実現、また生産性向上、スキルの標準化など、ユーザーの生産現場が求められるニーズは大きく変化しており、自動化設備を検討されるユーザーが増えている。

超高速・多数同時接続可能・低遅延な通信環境を実現するローカル5Gを用いてAGVの稼働実験を行うことで、同社製品の高機能化の実現に期待をしている。

NTT Comは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、工場を有するユーザーの課題を解決する「Smart Factory」を重点領域の一つとして推進している。

その実現に向け、ローカル5Gが、データを価値あるものとして利活用するデータ収集・伝送機能における重要な技術であると捉え、活用ユースケースの蓄積を推進している。

両社は、工場内におけるローカル5Gの電波特性などを検証することで、AGVの高性能化、ひいては生産現場自動化やDX推進に向けた可用性を検討する。

ローカル5G活用により、高精細な位置情報・詳細な稼働情報を取得でき、自動走行の精度が格段に向上する。データセンタやクラウドなど、離れた場所で高負荷なデータ処理が可能になり、車載機器の軽減・車体軽量化を実現するといったメリットが期待される。

同実験では、DMG森精機の伊賀事業所内における 28GHz帯の実験試験免許を取得し、ローカル5Gネットワークを構築することで、生産現場におけるローカル5Gの電波伝搬、通信品質を調査・測定するとともに、ローカル5Gを介したAGVの遠隔操作を試験する。

実験項目(予定)は、①電波伝搬試験(受信レベルの測定や干渉状況の調査)②通信品質試験(遅延やスループット性能、パケット誤り率の測定)③アプリケーション試験(ローカル5Gを介したAGVの遠隔操作試験)▽AVGに対するローカル5Gの安定した通信可否の評価▽離れた場所で稼働するAGVの稼働状況の見える化。

各社の役割は、DMG森精機は、▽実験場所の提供▽アプリケーション試験設備の提供▽アプリケーション試験の実施▽ローカル5G活用ユースケースの検討。NTT Comは、▽実験試験免許の申請、ローカル5Gの設備設計、構築、運用▽電波伝搬試験および通信品質試験の実施▽ローカル5G活用ユースケースの検討。

今後について両社は、共同で本実験に取り組むとともに、確認された課題に応じさらなる検証を行うことで、ローカル5Gの本格導入に向けた検討を進めていく。

また、本実験を通して、複数のAGVや設備を繋げて工場全体のデジタル監視を行うなど、より高度な生産改善が可能な製品開発やソリューション提供の実現を目指す。

加えて、NTT Comは、より広範なニーズに活用できるようなローカル5Gのサービス化についても検討を進めていく。