「超硬リサイクルのトータルプラットフォームを目指す」

ユニマグテック(名古屋市名東区)のホームページトップには、「工場を鉱場に変える」とある。超硬合金のリサイクルには、どうしても「伏し目がち」な現状があるなか、むしろそれを強調していることに、既存のろ過装置メーカーとは一線を画す姿勢が伺える。

「いま、非常に困難なこの時期だが、営業利益が見込め難い代わりに、出銭を利益に変える発想の転換を支援したい」と浅野善規社長。

昨年11月にユニマグテックを設立した浅野社長といえば、工作機械メーカーでのメカ設計をキャリアのスタートに、ドイツの機上工具モニタリング機器メーカーが日本進出の際に同社に転じ、そして欧州工具研削盤メーカーでは副社長を務めるなど、業界ではおなじみともいえる人物だ。

その後直近では、技術コンサルティングのアサノエンジニアリングを自営しつつ、超硬合金専門ろ過装置『キャンドルフィルター』をはじめとした、台湾№1のフィルター専業メーカー「ユニマグ」ブランドの日本輸入総代理店、メカロックの中部営業部長も兼ねていた。

ユニマグテックでは新たに、その日本総代理店を引き継ぎ、業務項目には技術コンサルティングも継続しているものの、クーラントろ過の専業は、「ポテンシャルがはるかに高い」と浅野社長は話す。

クーラントろ過においては、「研削フィールドでは研削盤、砥石、クーラント、ろ過、切粉処理等の各構成要素をトータルで語れる人がめったにいない。さらに各メーカーはそれぞれがベストと主張するため、ユーザーは自分の置かれた条件に、どういった組み合わせがベストなのか判断材料が乏しく常に模索している」ことが一番の問題だと指摘する。

「そういった全体を俯瞰した上で、最初の基本となるのがろ過をきちんとすることであり、低コストでキレイな油を供給するシステムを使ってもらうことが、工具研削盤にとってはマストアイテムなのだが、そこが上手くいかない場合が少なくない」。

加えて特徴的なのが、ろ過装置メーカーは各得意分野を極め、例えば「油仕様で超硬だけ」、「水溶性で超硬だけ」というように、ターゲットを絞り込み、ビジネスとしての効率を求める様子が見てとれることだ。

「現状の様々な要望がある市場において、それぞれのセクションから外れた課題がなおざりにされてしまうことも少なくなく、『それは仕方ない』で済まされているのが現状だ」。

超硬リサイクル率は「まだ」30%未満

さらに大きな問題が、超硬合金の切粉のリサイクルであり、「これは皆、わかっているのだが、非常に大変だというイメージがあるため、あえて目をつぶっている」。

超硬合金の90%がタングステンだが、それを毎日バリバリと削っていながら、そのリサイクル率は10年前で10%。ここ1、2年の傾向でも30%未満であるといわれていることから、「まだ70%以上は捨ててしまっている。しかもほとんど有料で引き取ってもらっている」。

このように、いくらコストにシビアな経営者でも、研削盤の「前」では一生懸命に付加価値を上げよう、コストを下げようと日々努力していても、研削盤の「裏」についてはなかなか考えがおよばない。こういった状況を薄々知っておきながら、なぜ無視するのか。

それは、「機械を知っていて、油を知っていて、研削の現場を知っている者でないと、こういったことはコントロールできない」からだ。

HSSや鋼、セラミックなど超硬合金以外の「いろいろなものが混じる」、「ロジスティックスが面倒くさい」など、それらを本当はトータルで管理しなければならないのだが、できない。だから「どこかに丸投げ」したい。

そこで、前述した浅野社長の経歴等を鑑みたとき、研削盤メーカー、クーラントメーカー、研磨会社、超硬リサイクルメーカー、「それぞれの事情が大体わかる」ことにうなずける。さらに、ユニマグは日本にはないろ過装置総合メーカーなので、キャンドルフィルターのみならず、「お客様の状況によって、全てのろ過装置を提供できる」ため、一元管理ができる。

セラミックが混じる場合は遠心分離機を提案したり、「再研磨の際に混じるHSSは、入り口でマグネットセパレータにより除去して、超硬だけ流れてくるようなオプションを付けましょう、いま使用中のろ過装置でもできますよ」など、そういった話ができるのが浅野社長の強みであり、ユニマグテックの強みとなる。

基幹製品のキャンドルフィルターのほか、同社製品には、アイデア次第で様々な使い方ができる手動式のポータブルキャンドルフィルターや、ダーティークーラントを吸い込み、ろ過して戻すクーラントろ過の掃除機タイプなどもラインナップされている。

このようにユニマグテックでは、クーラントろ過装置の総合メーカーとして、工場内環境コーディネータとして、様々な問題を経験してきたバックグランドを元に、超硬リサイクルのトータルプラットフォームを目指す。浅野社長は「ろ過精度をできるだけ上げ、機械の『うしろ』からも効率よくお金を稼げる」を啓蒙していく考えだ。