20年度「新生」採用1期生12名が入社
「採用は最大の人事戦略」

 ダイジェット工業(本社=大阪市平野区、生悦住歩社長)では、この4月から人事制度が大きく変わり、なかでも「採用は最大の人事戦略」と位置付け、今春入社の採用に向け昨年から認識、取り組みを新たにしてきた。

 結果、2020年大学新卒社員として男女6名ずつの計12名が入社した。

 「新たな人事制度に合わせて、人がどう変わっていくかが非常に大事」と話す安藤信夫取締役総務部長。「この12名は、昨年から取り組んできた新たな採用活動のもとで入社してくる『新生』一期生であり、期待は大きい」と続ける。

 2016年7月にメガバンクからダイジェット工業に転籍してきた安藤部長は、経理部長を経て18年6月から総務部長を兼任する。

 「銀行時代は人事経験はなかったものの、採用活動の応援に駆り出されることも多く、それなりにノウハウはあった」ことから、ダイジェット工業の採用活動を見るにつけ、「これでは人材育成もままならない」と今回の人事制度改革の事端ともなった。

 「それには、新人事制度の下で既存の社員のさらなる成長を促しつつ、新人を一貫して育成していくのが最もわかりやすい」。そんな思いから「採用はもっと頑張ろう」と、従来は二人で行っていた採用活動を、昨年から20人強の若手社員を中心に採用チームを結成した。

 会社説明会では座談会をセットで組み、例えば15名の参加者があれば5名づつ3組をつくり、安藤部長を含めた採用チーム4人がスピーカーとして入り各組を回った。

 「学生は4人のスピーカーの話を聞き、質疑ができる」を6日間12回行い、参加者は1回平均では10名、計119名を数えた。

 「学生の皆さんが、まず当社に興味を持ってくれるよう注力した結果、一次面接に48名が進んでくれた」。

 会社説明会では、ダイジェット工業という会社を理解してもらうための新たなパンフレットやプロモーションビデオの作成も、もちろん重要だが、採用チームの若手社員を見せることによって、「志望順位トップではないが、選択肢のひとつ」という人数が大幅に増えた。

 そして、29名が進んだ最終面接では、20名の内定(内々定含む)を出した。

 「そうなれば今度は辞退率を読まないといけないが、読めない。20名でもハラハラだったが、12名という良い塩梅におさまった。すごい進歩だと思う」と結果を自負する。

 そのうえで安藤部長は、「人事課長、人事担当者、それに採用チームとして関わってくれた若手メンバーが、学生と接して、しっかりとダイジェット工業の良さをアピールしたことにより、会社の雰囲気の良さだったり、若手のエネルギーだったり、そういったところへ学生の興味が集まり、彼らの入社への意識を高めたのだと思う」と振り返った。

 安藤部長が書いた採用稟議書の中には、採用コンセプトとして「革新、私と一緒に変えてみませんか」とあるという。これは、学生は就職活動をする中で「何かキーワードにすがりたい」ものだが、「その意味では、変えようとしている人事制度に関して、それを示したかった。何のためらいもなく『ウチは絶対に面白くなる』と言い切っていた」と付け加える。

 「当社では、絶対に若い時から面白い仕事ができるようになると信じている。ダイジェット工業の仕事は面白い、今から変革していく、君たちが変えていく立場になるのだから」。

 また、男女6名ずつの採用となったことについては、「イーブンに当社の基準で良い人を選考していったら、結果的にそうなっただけで、特に狙いはなかった。だが、非常に画期的な結果となった」と見ている。

 ちなみに、画期的といえば、同社では昨年11月から男女ともに社員の制服が、コーポレートカラーも意識して、デザイン一新された。ダイジェット工業ではいま、「こういった福利厚生含め、様々な面で変えようとしている。採用のみならず、人をどう育てていくかということについて、意識が非常に高まりつつある」。