トラスコ中山 株主総会、DMG森精機 入社式

「新型コロナ厳戒下」で意義深い決行

 新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の厳戒下、自粛ムード序盤の3月13日、トラスコ中山は東京・大阪の2会場にて定時株主総会(※本紙4面も参照)を、またDMG森精機は自粛ムード佳境の4月1日に三重・伊賀事業所で入社式(※本紙4面も参照)を、それぞれ決行した。

 トラスコ中山の株主総会で中山哲也社長は事業報告に先立ち、新型コロナ対策の内容として、一般的な感染予防に加え、万が一、物流センターが閉鎖になった場合の代替センターへの移管シミュレーションを実施済みであることにふれた。

 そのうえで、「災害復旧・復興物資を相当抱えてはいたが、この騒動の中でマスクも防護服も全て在庫がなくなるという状況となった。もう少し安定的な供給ができるよう、これからルールの見直しや備蓄在庫の積み増しを図っていこうと考えている」と強調した。

 さらに、業績に与える影響として、「中長期的にどうなるか? ということは、正直、全く予想がついていない。新型コロナの状況次第としかいえない」として、差し当たり直近の業績に言及した。

 それによると、2月度の一日あたりの売上高と前年同日比を見る限り受注は堅調に推移しており、前年同日比プラスが13日、マイナスが5日と「順調とはいい難いものの、ほぼ昨年を上回る水準」で、昨年を上回る状況が3月度も少し続いている。この状況を、「正直、大量の在庫に支えられている要因もあろうかと思う」と見解した。

 また、株主総会を延期しなかった理由については、「新型コロナがいつ終息するか見通しが立たないこと」、「4月以降に延期した場合は基準日(12月末)の変更が必要となり、その場合、一部の株主様の議決権が無効となってしまう恐れがあること」、「東京・大阪同時2会場総会の会場確保が困難である点」、そして「会場のキャンセル料や再招集、有価証券報告書の再作成など、多額の費用と相当の労力が発生すること」を挙げた。

 これらを鑑み、「株主様の命と安全を守ることを肝に銘じ、可能な限り感染予防対応(入場時のサーモグラフィによる検温、会場全員のマスク着用、株主優待商品の展示中止など)を行ったうえで開催を決定した」と述べた。

 中山社長は、「この1年間で株主様は1万名増え4万名を超えた。当社の株主総会は株主様の出席が非常に多い総会であり、約7%の3千名近いご出席を見込んでいた(実際は1651名)だけに、残念でならない。来年は例年どおりの開催ができることを念じる」とし、新型コロナ関連の説明を終えた。

 一方、DMG森精機の入社式は、森社長は訓示の冒頭、「昨年の春頃に皆さんと初めて出会いました。その頃から米中貿易摩擦で景気が悪化し」と切り出したあと、次のように新型コロナについて言及している。

 「感染拡大とともにここまで世の中が大きく変化しました。経済的には2008年頃に世界金融危機がありましたが、今回はじめて、天変地異による人類を脅かすような危機を、身をもって体験しています。貴重な経験として記憶し、個人、また会社としてしっかり生き残っていけるよう一緒に努力していきましょう。

 世間では入社式を中止する会社もありますが、幸い、伊賀事業所の社員はほとんど自家用車か徒歩で通勤し、公共交通機関を使用しておらず、適切な人数で式を開催できるため、しっかりと対策を行った上で実施を決めました」。

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 それぞれ、「再認識、俯瞰するきっかけ」、「貴重な歴史を体感」といったメッセージが享受できる意義深い決行だったと感じる。

 翻って、これはオカルティックでもなんでもないが、「何かある」といわれていた2020年、「これだったのか・・・」と痛感する「新型コロナウイルス禍」の日々である。

 かつてのリーマンショックや数々の震災時には、展示会などイベントで出展社数が減ることはあっても、自粛ではあるが「なくなる」ことはなかった、しかも続々と・・・。それだけに、外出できず休校中の子どもたち同様、我々業界紙の人間にとってもストレスの溜まる日々は続くが、個人的には、前述の意義深いメッセージよろしく、「何かのきっかけ? 転機になる?」、「歴史上、いまこのタイミングで存在してるって・・・」と、なぜか得体の知れない希望? 期待? に囚われているのまた事実だ。