「MTF2020」開幕 三井精機工業

川島本社工場開催に1300人超来場

Vertex「2APC」仕様を披露
大阪開催は2/18~19日(花博記念公園 鶴見緑地)

 

三井精機工業(加藤欣一社長)のプライベートショー「MTF2020」(MITSUI TECHNICAL FAIR)が、「技術、技能の伝承~100周年に向けて~」をテーマに、1月29~30日の埼玉・川島本社工場から開幕している。

昨年は生産多忙のなか工場内での展示スペースの確保がままならず、特例的に大宮駅前のソニックシティを会場としたため、2年ぶりの開催となった川島会場には、2日間で1308人が来場し賑わった。

コンプレッサでは『Z‐Cloud』『Z‐MacsⅡ』『ZV37AX‐R屋外仕様』といった新製品をはじめ計12台を展示。工作機械では、Precision Profile Center『PJ812』、精密ねじ研削盤『GSH200A』、そして5軸制御立形マシニングセンタ『Vertex55XⅢ』は2APC仕様を初披露した。

Vertexではこれまで、自動パレット交換装置の仕様について個別には対応しており、特定のユーザー向けに36APCの仕様の実績も数台あったというが、Φ200のパレットでワークサイズも限られていた。ほかはロボット仕様での対応となるが、インターフェースまで対応せざるを得ないロボット仕様の実績は少数に留まっていた。

そこで「もっとシンプルに提案できるもの」として、今回、すぐに使用できる2APC仕様の提案に至った。Φ400のパレット仕様とし、直径では510㎜クラスまでの大きなワークに対応できる。

高精度と加工時間の短縮を特長に、ねじ研削盤のフルモデルチェンジ機としてJIMTOF2018で発表したGSH200Aは、ねじの有効径を自動計測・自動補正可能なシステムが注目される。

従来、振れ止めの調整は熟練作業者の感覚による手動で行っていたが、一般的なオペレーターでもできるよう、計測の自動化により作業者の負担を軽減する。

ねじ研削盤の市場は、限られたなかでも国内ニーズが多い。かつて米国では専門の販売店があったが、現在はサービス面での対応が難しいといった側面もあるようだ。

2016年のJIMTOFで初登場したPJ812の新展開は、HSK‐A100主軸の搭載が可能になったことで、これまではBT40番仕様のみだったが、50番相当の主軸を仕様として追加した。

PJ812の初号機を展示した際に、営業から要望が多く出ていたのがBT50仕様だったことから、BT40番とBT50番の主軸を両方搭載できる構造の開発を併行して進めていた。また「Vertex75」の発売当初もBT50番の主軸も搭載したいという要求はあり、Vertexでは実現に至らなかったが、今回のPJ812において披露することで、「しっかりした剛性のある主軸で加工したいという要求」に応えた。

IHIが航空機市場、最新の生産技術や切削機械について特別講演

30日午前には、「航空機業界の展望と工作機械について」と題した特別講演が、IHI 航空・宇宙・防衛事業領域 生産センター 生産技術開発部 主任調査役の落合宏行氏により行われた。

講演は、日本の航空機・宇宙産業のマーケットは2・2兆円と決して大きくなく、「世界の中ではまだまだ弱い。世界主要エンジンメーカーの航空エンジン生産高シェアでは日本は6・6%(平成29年時点)に過ぎない」といった航空機業界の現状と展望からスタート。

また、最新の生産技術の紹介では、「ジェットエンジンの難削材は加工すると変形する。特に航空エンジン部品は薄肉部品で、加工すると表面に欠陥が生じやすい。表面の残留応力、研削割れなど。ニッケル合金、チタン合金は薄肉でなくても変形しやすい」といった基礎知識に始まり、「高速切削の新技術 N‐MACH切削理論について」「セラミックスのダイヤモンド電着砥石による研削」「擦らない転削加工」「旋削に替わるアルミニウム合金の転削」等に言及した。

最後はまとめとして、切削機械の求められる要素を、「高速スピンドル、高速テーブル(高速反転性能)、複合加工、加工中にバイトの姿勢が変えられる旋削」だと挙げた。

落合氏は、その技術は特許だけで会社に年間数億円をもたらすというだけに、「旋削で削る必要はない」や「勇気を持って加工すれば、案外、容易にできるものだ」、そして「IHIは、多分、世界で最も速い加工をしている」といった随所で繰り出す一言一句に、説得力と力強さがみなぎっていた。

なおMTFはこのあと、名古屋開催(2月5~6日、終了済み)を経て、2月18日(火)~19日(水)の大阪開催(花博記念公園 鶴見緑地・水の館 ハナミズキホール)へと続く。40